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| .■味の匠
技の匠 |
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【(株)岡虎】 |
高級蒲鉾「伝承づくり」/「黄金ちくわ」
良い仕事をする職人は、良い素材を選びます。磨き抜かれた技は、しこしこと心地よい歯ごたえと共に磯の香りが口いっぱいに広がる逸品を造り上げます。
山口県防府市の「岡虎」は、創業以来百年余り妥協しない蒲鉾(かまぼこ)づくりを続けてきました。平成十年の全国品評会では農林大臣賞を受賞。そのたゆみない精進が高い評価を受けました。
全ての面で効率化が追求される現在、蒲鉾の材料に生のエソを擂り身にして使うところは少なく、ほとんどが冷凍擂り身を使っています。その時代に、生エソ100%で造る蒲鉾にこだわっているのが「岡虎」です。高級蒲鉾「伝承づくり」は生エソ100%、「黄金ちくわ」は素材の約三割が生エソで造られています。
現在、製造行程における手作業はありません。しかし、機械化された製造ラインに魂を吹き込む職人技が「岡虎」の味を支えています。
素材を吟味し選び抜く職人の目がそのひとつです。素材の鮮度を見抜くのにも、一人前になるには3年から5年の年期を必要とします。また、最先端の技術で制御される製造工程にも、その出来映えをチェックする職人の目が光ります。決して機械まかせではありません。機械は道具として職人に使われ、その技を活かします。 |
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【お問合せ】 株式会社 岡虎
住所:山口県防府市大字新田174番地1
TEL:0835-22-0313 FAX:0835-22-2264
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| 〔商品を見る〕 |
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| 長年の蒲鉾造りの「心」をもとに |
| こだわりある商品を作り続ける |
防府市新田にある株式会社岡虎。明治10年頃、初代が鮮魚仲買とちくわ製造を始め、戦後になって本格的に練り製品の製造を開始した。現在、防府市内で4軒だけになってしまったかまぼこ屋の暖簾を守る現社長・貞政秀典さんは5代目。副社長の芳郎さんが6代目を継ぐべく奮闘中だ。食の洋風化が進む中、「日本古来の食文化をつぶさないようにしたい」と理想を語る。機械化や原料の選定にも自社のこだわりと現実との間で絶妙のバランスを見極めようとする姿勢に、老舗の看板を掲げるプライドと責任感がうかがえる。
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| 仕入れたばかりの新鮮なエソ。 |
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| よく水洗いした魚を機械にかけて魚肉をとる。 |
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| 脱水した魚肉を機械にかけてすりつぶしていく。その後、調味料で味を調える。 |
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| 自動化されたラインにより次々とちくわの形が作られ、焼きの工程へ。 |
人の手と機械が織り成す共同作業
かまぼこは室町時代中期から作られ続けている日本の伝統的な食品。かまぼこ作りは、材料となる魚の仕入れから始まる。「昔のかまぼこ屋の大将の仕事は魚の仕入れ。日によって魚の状態が違うので、それを見極められないとダメ。かまぼこ作りは何より仕入れが肝心ですね」と副社長。そして魚の下処理。「入ってすぐの人には粗しご(下処理)をしてもらいますが、鮮度を見分けて魚の身を取るこの作業が実は一番大事なんです」と社長も材料の大切さを説く。
同社では生エソを使用しているが、魚の歩留まりはせいぜい3?4割。鮮度や大きさ、季節によって変わる魚の状態などを見極めつつ品質を損ねないよう、材料の配分を変えなくてはならない。さらしの工程では魚から出る油を取り除くが、これは魚の旨みを取ることになるので、本当はあまり取りたくないと副社長は漏らす。次は練りの工程。機械で練り込んでいくにつれ、すり身は白くなめらかで美しい状態に変わっていく。「温度をあまり上げないよう、気をつけています。何分練ったらいいかという感覚は、毎日やる人たちにはかないませんね」と副社長。塩を入れる温度も温度計を見ながら絶妙のタイミングで入れる。「練りと魚をさばいてさらす工程は人の手が大事。すごく手間もコストもかかりますが、うちのこだわりとしてやめたくありませんね」。そして焼きの工程では、8段ある機械のラインを通って徐々にちくわに熱が加わる。ラインの最後は電気で仕上げ、こんがりといい焼き色のついたちくわが出来上がる。これこそ岡虎のメイン商品だ。別ラインでは、かまぼこやゴボウ天なども次々に焼きあがっていき、香ばしい香りが食欲をかきたてる。 |
かまぼこにだってあるアイデンティティー
同社では生エソの使用にこだわり、長年受け継がれてきた製法、技術をベースに作っているが、近年では冷凍すり身だけで作るメーカーも多いということだ。その背景にはコスト面の問題だけでなく、味のバランスや製造時の温度管理といった問題や、生魚だけで作るには熟練した技術が必要とされることなど複雑な事情がある。安定した材料を使うことで生産量は確実になったといわれるが、やはりプロにはその味の違いがわかるという。「材料だけに限らず、うちならではのこだわりをもってかまぼこ作りを続けていきたい。例えば、かまぼこも手作業で盛りつけると空気を含むので、口当たりが違ってくるんです。また、かまぼこは地域色が非常によく出る食品。土地によって獲れる魚が当然違うので味付けも違ってきます。だから、うちの商品を東京へ持って行って売ろうとしても難しい。最近では、味覚の地域差が薄まってきていることも確かにありますが、やはり地元のお客さんを大事にしたい」。次代を担う副社長は熱く語る。
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| 最近ではすり身を手付けできる職人も少なくなってきているという。 |
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| ガスと電気でじっくり焼き上げられて出来上がったちくわ。 |
また、近年のかまぼこ業界では、スーパーに並ぶ日配品のような「日常的」な商品と、ギフトや引き出物に使われる高級品、つまり「非日常的」な商品への二極化が進んでいることや、現代の食卓に合わせたかまぼこの洋風化と本来のスタイルに戻ろうとする二極化の傾向がみられるという。「どこのメーカーもいいものを作りたいという気持ちは同じ。しかし、前提条件として売れるものを作らなければなりません。各メーカーが競って新商品を出したりもしていますが、メーカーやバイヤー本位のやり方が、逆に練り製品の消費量の低下につながっているのかもしれません」
県内においては、昨年、山口県の豊かな海の幸を生かした水産加工品をもっと全国に広めようということで、県水産加工業連合会が認定を行う『山口海物語』というブランドが作られた。同社でも県と一体となり、『山口海物語』を全国にアピールしていきたいと考えている。 |
大事なのは鮮度と品質素材も作り手の気持ちも
同社の理想は『冷凍すり身を使わず、生エソ100%のかまぼこを作ること』だという。「エソにも種類があって、一番よいのはマエソ。山口県では『ズルエソ』と呼ばれていて、当社の製品にもそのエソを使っています」。素材を見極める社長の目が光る。「よく噛んで味が出るのがいいかまぼこ。触感もやわらかいのが本当だと思う」。
この確固たる思いが岡虎の味を高いレベルで維持している。創業以来の『ちくわといえば岡虎』というブランドも大事にしながら、生エソ100%で添加物の使用をできるだけ減らした、安心で安全な食べ物を作りたいと副社長は語る。『伝承づくり』の商品名のとおり、思いは引き継がれ、たゆまぬ努力と未来を見つめる瞳がそこにあった。 |
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